PAPER COLLECTIVE MAGAZINE：アートの遊び場

今回は Paper Collective をスタートしたきっかけや発想の源、今後の展望について、創始者 Morten Kaaber に話を聞きました。

Paper Collective をスタートしたきっかけはなんだったのですか？

Paper Collective は2013年に、厳選されたモダンアートプリントのプラットフォームが必要だと感じて始めました。私たちは才能あるプリントメーカーをいくつか見つけましたが、品質はバラバラで選択肢も少なかったのです。最高のアーティストを私たちのプラットフォームに集め、高品質で一貫したキュレーションを簡単にアクセスできて、かつ手頃な価格で提供したいと考えました。

私はインテリアデザインの経歴を持っていたので、アートプリントのカテゴリーを家具や照明、そのほかのホームアクセサリー類を買う場所や手段に近づけたいと思ったんです。

Paper Collective ではどのようにアートとデザインのバランスを取っていますか？

ここ数年、スカンジナビアン・デザインのシーンは、ニューノルディック・ホームデザインの成長と（ミッドセンチュリーモダンの時代後の）世界中で巻き起こる「第二次スカンジナビアン・デザイン」の到来によって急激な進化を遂げています。住まいをモダンで美しく、リーズナブルな家具や照明、ホームアクセサリー類で飾るさまざまな選択肢が突然増えた一方で、人々が手にすることのできるアートプリントには大きなギャップがありました。なぜ家具やランプのように、同じ品質とスタイルのウォールアートは見つけにくいのだろう？この疑問こそ、私たちが変えたいと願ったことです。このようなインテリアデザイン業界との関係性は、アート作品のキュレーションだけではなく、世界最高のプロダクトデザイナーたちや世界中の素晴らしいデザインショップの皆さんとのコラボレーションにもはっきりと表れています。

Paper Collective がスタートした頃、アートプリントはそれほどインテリアデザインやプロダクトカテゴリーのひとつにはなっていませんでした。お客様は家具屋やデザインショップの商品だと考えていませんでしたが、私たちはその意識を変えることに成功し、現在では多くのお店にとって大きなカテゴリーになっています。

会社を立ち上げようと思った経緯を教えてください。

キャリアの面では、私はクリエイティブなスタートアップ企業育ちで、自分が主導権を握ることで物事が変わったりブームが起きたりする感じが好きなんです。大企業にいると大きな車輪の中のとても小さな歯車のように自分を感じてしまいますが、小さな会社では自分の行動がより素早い反応をもたらすのです。

次に、才能豊かなクリエイターたちとのコラボレーションを基本とした、自分のための会社と仕事を作りたかったんです。一緒に仕事をする外部のアーティストの中に仲間がいることは、Paper Collective のチーム全体にとって常にインスピレーションの源になっています。

Paper Collective の拠点はどこですか？

デンマークのコペンハーゲンです。

コペンハーゲンの中心部に会社があることが Paper Collective の仕事にどのような影響を与えていますか？

私たちは、常にデンマークやスカンジナビアン・デザインに大きな影響を受けてきました。ミニマリズムの要素やシンプルさといったものが、私たちの選ぶアート作品には確かにあります。そして、コペンハーゲンはまさにその発信源なんですよ。

他社との違いは何でしょう？

Paper Collective では、ともに働くアーティストのために自由度の高いプラットフォームを作りたいと考えています。あらゆるクリエイティブのためのスペースとアーティスティックな演出が、Paper Collective にはあります。そして、私たちのお客様にとっては、素晴らしいアーティストたちの幅広くて厳選されたコレクションの中から、完璧なアート作品を簡単に見つけることができるのです。

コラボレーションするアーティストはどこで見つけているのですか？

私たちは常に新しいアーティストを探していて、ありとあらゆる場所で出会っています。ある人は展示会で、またある人はソーシャルメディアと通じて。ほかのアーティストの紹介という場合もあります。アーティストは皆、実にさまざまな背景を持っています。画家やイラストレーター、グラフィックデザイナーにフォトグラファー、ファッションデザイナー、建築家など、それぞれが異なる分野で活躍しているのです。そして年月を重ね私たちが成長するにつれて、さらにたくさんの素晴らしいアーティストが私たちを見つけて、コラボレーションを提案してくれるようになりました。才能豊かなアーティストが私たちを信頼してくれているなんて、とても名誉なことだと思います。

コレクションに入るまでのプロセスを教えてください。

新しいアートプリントは、5〜6か月ごとに発表する大きなセレクションかコレクションにまとめます。コレクションごとに、ファッション、建築、花など、作品のテーマと関連のある全体的なテーマでくくります。または、写真、筆使い、水彩画など、よりテクニックやテクスチャーをベースにしたものもあります。

あなたにとっての企業責任とは何でしょう？

私たちが Paper Collective を設立したのは、常に最高の模範を示すという野心からでした。製造方式やサスティナビリティ、そしてチャリティープロジェクトにもそれは当てはまります。長年、利益の多くを世界中の慈善団体に寄付してきました。ガン研究や野生動物の保護、そして2021年に完成したネパールの田舎にある最大400人の子ども達が通える学校創立のための援助などです。このプロジェクトは、私たちが取り組んできたことの中で最も誇りに思っているものです。

2023年の願いごとを教えてください。

Paper Collective のお客様にとって、より使いやすくなるよう改良していきたいと考えています。新しいアート作品、アート作品のための新しくて美しい素材、もっと楽しくて刺激的なショッピング体験を提供したいです。

より広い視野で、そして個人的な思いを言えば、私は2023年の子ども達のために、そして私たちのために、平和な世界を望んでいます。