アーティストやスタジオを紹介するこのインタビューシリーズ。今回はモンテレイ出身のメキシコ人アーティスト、Berenice Hernandez のもとを訪れました。
Berenice Hernandez の作品は、独自の存在感を放っています。カラフルでグラフィックな彼女のポートフォリオは、メキシコシティの活気の中で過ごした幼少期とアートディレクションとグラフィックデザインの経歴からインスピレーションを得ており、この２つの世界が交わって、手描きとデジタルのテクニックを組み合わせたモチーフのコレクションが増えているのです。
山とメキシコ北部の砂漠の間に位置する Hernandez のスタジオは、賑やかな工業都市 Monterrey（モンテレイ）の中にあります。アメリカの国境と非常に近いモンテレイは、まさにメキシコとアメリカの影響を色濃く受けている場所。Hernandez の作品には、2つの国の文化を希釈し解釈しているのではなく、メキシコの首都や南部の国々で過ごした幼少期の色彩や活気への憧れに近い郷愁の感覚が入り込んでいるのです。
あなたは私たちのコレクションに参加した最初のメキシコ出身のアーティストです。メキシコはあなたの作品づくりにどのように影響していますか？また、作品の中にメキシコ的なものを感じますか？（インタビュアー：Nikolai）
影響していると思います。絵を描き始めた頃、自分のルーツや子どもの頃に暮らしていたメキシコとの繋がりは大切でした。ここ最近住んでいるモンテレイは、アメリカの文化に強く影響された工業都市です。だから、私が若い頃に中南米で経験した、形、質感、色彩を再解釈できる隠れ家のようなものをつくることが重要で。田舎に建つ小さな家々、昔ながらのコロニアル様式の建物、豊かに生い茂る草木、果物の色や質感……。これらすべての形や質感は私の視覚的イマジネーションの一部であり、私は常にそういったものを使って作品をつくっています。
色彩はあなたのファーストコレクションでは明らかに大きな部分を占めていますよね。このコレクションの色使いについて、少し教えていただけますか？
色彩についてはたくさん試しました。私の目的としては、それぞれの形に調和のとれたコントラストを生み出すこと。なので、ブラウン、ベージュ、テラコッタなどの中間色とは対照的なとても鮮やかな色を選びました。
このスタジオでの制作プロセスについて教えてください。構図を作るとき、新しいテクニックや素材を試すのがお好きなんですよね？
私がコミュニケーションの仕事で学んだ言葉のひとつに、「媒体はメッセージである」というものがあります。これは私がイメージのフォーマットを決める際に当てはめる言葉です。この前提があったからこそ、リノリウム版画やキャンバス上の適応性、さらにハンドメイドのウール生地で作品を再現するといった、異なるテクニックやフォーマットで試すということにつながったのです。
ペーパーコレクティブで発表した新しいコレクションについて教えてください。どこから着想を得て、どのように最新作を生み出したのですか？
自然の姿かたちから常に着想を得ています。枝に生い茂る葉の配置を観察するのが好きで、葉が組織的であると同時に混沌とした構造をつくり出していることには驚かされます。制作には大量のスケッチが必要です。最初は紙とえんぴつで描き、次にデジタルでカラーパレットをテストし、最終的に作品にとって最良のものを決めるのです。
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▼Berenice Hernandez のポスターはこちら
（30×40cm）
（50×70cm）
